申込受付はすでに終了いたしました。第二次締切での募集はいたしません。受講コースの通知はメールにて2021年2月25日に送付済みです。当日の会場の参加方法に関しては、また後日、メールにてお知らせします。なお、ワークショップの変更等がありましたら、随時大会公式サイトにてお知らせしますので、ご確認下さい。
ワークショップはすべて、ZOOMによる双方向型LIVE配信を予定しております。録画による事後配信は行いません。静穏で安定した通信環境で受講することを強く推奨します。受講者側の通信不調につきましては、申し訳ございませんが準備委員会ではご対応しかねます。ZOOMの接続テストを事前に行って下さい。また当日午前中にもZOOMの最終接続テストを行う機会を設けますので、ご参加下さいますようお願いいたします。
ワークショップ案内
各コースは日本学生相談学会認定「大学カウンセラー」「学生支援士」の資格取得および継続研修のための研修カリキュラムのそれぞれの研修領域に該当します。
また、(財)日本臨床心理士資格認定協会が定める臨床心理士資格更新要件「教育研修機会」のうち、「関連学会での諸活動への参加:ワークショップ」に認定されます。
参加された方には研修証明書を発行します。研修証明書の発行には5時間の出席が義務付けられています。途中入場、退場の場合は要件を満たすことができませんのでご了承下さい。
受講コースは以下のとおりです。なお、一部コースは非会員の参加が認められています。
ワークショップ一覧
1.A領域 学生相談総論―多様かつ変わりゆく現場でできること―
早坂 浩志(岩手大学保健管理センター)
2.B領域 ナラティヴ・アプローチ
奥野 光(二松学舎大学学生相談室)
3.B領域 学生相談カウンセラーのためのフォーカシング
吉良 安之, 高橋 寛子(山梨英和大学)
4.B領域 AT(Autogenic Therapy):自律訓練法入門―マインドフルネスとオートジェニックの体験的理解
坂入 洋右氏(筑波大学体育系)
5.B領域 心を育てるグループワーク—楽しむことから始めよう—
正保 春彦(茨城大学大学院人文社会科学研究科)
6.C領域 スポーツカウンセリング:こころの窓としての身体の語り
中込 四郎・秋葉 茂季(国士舘大学体育学部)
7.D領域 大学生における発達障害の診断または傾向のある学生への対応―アセスメント、修学支援、合理的配慮の調整―
佐々木 銀河(筑波大学人間系)
8.D領域 大学生における親面接について―大学での面接支援と指導について―
永井 撤(原町田心理相談室/東京都立大学)
9.E領域 学生の成長を促す学生支援のために何が必要か?—米国学生支援の動向を足がかりにー
安部 有紀子(大阪大学)
10.F領域 【研究委員会企画】学生相談に“データ”を活かす
堀田 亮(岐阜大学)・今江秀和(広島市立大学)・杉岡正典(名古屋大学)・福盛英明(九州大学)(ファシリテーター)
ワークショップ詳細
1)講師:早坂 浩志氏(岩手大学)「学生相談総論―多様かつ変わりゆく現場でできること―」【A領域】
「学生相談とは何か、その固有性とは?」という問いに答えるために本学会や諸先輩はこれまで知見を積み重ねてきました。一方、カウンセラーの活動は組織形態や人的・物的リソースによって大きく左右されるのも事実です。本コースは、学生相談に携わって年数が浅いカウンセラーや、実践をつんできた現場を振り返りたいカウンセラーを対象として、参加者の皆様が自身の学生相談の現場の魅力と可能性を見出したり再確認することを目的に、前半は学生相談の固有性や近年の動向について整理して示し、後半はひとり職場、障害学生支援も行う職場など、多様な現場に関するディスカッションや事例検討を行う予定です。 【備考】 ご自身の現場の特徴や課題を反映した事例を募集します。
はやさか ひろし(岩手大学保健管理センター准教授) 大学カウンセラー、臨床心理士。私自身は保健管理機関で教員の立場で学生相談にあたってこれましたが、それでも20年の間にはいろいろ翻弄?されました。いわゆる「恵まれている、恵まれていない」に関係なく、多様な現場のカウンセラー方のご参加と事例提供をお待ちしています。
2)講師:奥野 光氏(二松学舎大学)「ナラティヴ・アプローチ」【B領域】
私たちは、語ることを通して人生やアイデンティティを常に形作っています。ナラティヴ・アプローチは、相談にきた人が、これまで語ったことのない大切なストーリーや自分にとって好ましいストーリーを語っていけるよう、私たちがどのような言葉をどのようにかけていくかというところに実践の中心を置いています。子どもから大人まで、個人からコミュニティまで、カウンセリングでも日常会話でもできる実践です。今回は、講義やワークを通してナラティヴ・アプローチを学ぶ入門的な内容です。 【備考】 受講者定員は40名です。
おくの ひかる(二松学舎大学学生相談室カウンセラー) ナラティヴ・アプローチに関する書籍の翻訳に携わりながら学生相談でナラティヴを実践してきました。理論的には難解なところもありますが、ナラティヴな会話の魅力や可能性に触れていただけるような内容にしたいと思っています。
3)講師:吉良 安之氏・高橋 寛子氏(山梨英和大学)「学生相談カウンセラーのためのフォーカシング」【B領域】
学生の話を聴くなかで、カウンセラーはいろんなことを感じています。フォーカシングでは、“何となく感覚的に感じられていること”に注意を向けます。このワークショップでは、技法としてフォーカシングを学ぶことよりも、カウンセラーとして日頃感じていることを振り返ることに重点を置きます。個別の事例のなかで、あるいは現在の職場での学生相談の仕事のなかで感じていることなどです。そのために、小グループやペアでの対話の時間を設け、フォーカシングを体験します。 【備考】 受講者定員は30名です。
きら やすゆき 大学院生の頃にフォーカシングと出会い、九州大学にて学生相談の仕事をするうえで、それが自分の軸の一つになってきたように思います。常勤カウンセラーとしての業務をおよそ30年間続けてきましたが、2021年3月末で定年退職となります。
たかはし ひろこ 学生相談には常勤カウンセラーとして24年間、非常勤で3年間関わりました。その中でフォーカシング と出会い、現在は教員として学生/院生に向き合っています。支援者にフォーカシングがどのように役立つのかについても考え続けています。
4)講師:坂入 洋右氏(筑波大学)「AT(Autogenic Therapy):自律訓練法入門―マインドフルネスとオートジェニックの体験的理解」【B領域】
心身の健康のための実践法として、ヨガやマインドフルネスが注目されています。マインドフルネスというのは、大切に見守ることです。ヨガや自律訓練法などで見守る対象は自分の心身ですが、親が子どもを、カウンセラーがクライエントを優しく見守る態度も、マインドフルネスです。これが身につくと、自分が自分らしく相手がその人らしく自然に輝いてきます(オートジェニック:自分映え)。このワークショップでは、AT(Autogenic Therapy)の実習を通して、自分を見守る態度を体験的に理解します。 【備考】 服装は何でも結構ですが、椅子に座った姿勢で実習します。オンライン開催の場合は、椅子を準備してください。
さかいり ようすけ(筑波大学体育系教授) 瞑想法と自律訓練法の実践と研究を続けて40年になりました。最近は東洋的な実践法がブームになっていますが、世間では誤解されていることが多いので、その本質を正しくお伝えしたいと思います。
5)講師:正保 春彦氏(茨城大学大学院)「心を育てるグループワーク——楽しむことから始めよう——」【B領域】
さまざまな臨床場面で用いられてきたグループアプローチ諸技法を、かかわる活動・理解する活動・表現する活動の3つに集約・分類し、再構成しました。特にインプロ(即興)の発想にヒントを得て、他者とのかかわりを楽しむことを大前提とすることにより、ストレスなく参加することができます。人間関係・対人スキルの発展の他、相互理解の深化、表現力の向上、共感力の育成などの効果があり、学生相談室等でのGWの活用にも適します。WSでは大小10数件のワークを体験した上で、その概要等について解説を行います。 【備考】 受講者定員は40名です。動きやすい服装でのご参加を希望します。
しょうぼ はるひこ(茨城大学大学院人文社会科学研究科教授) 大学はもちろん、小中学校・特別支援学校の他、いわゆる教育困難校を中心とする高等学校で多くの実践を行ってきました。それらの現場で生徒たちに教えてもらったことを基礎に活動を創り上げてきました。楽しみながら気がついたら学びが生じているワークを行います。
6)講師:中込 四郎氏(国士舘大学)・秋葉 茂季氏(国士舘大学)「スポーツカウンセリング:こころの窓としての身体の語り」【C領域】
アスリートの心理サポートには、競技力向上や実力発揮を目的としたメンタルトレーニングと競技生活の中で抱えた心理的問題の解決のお手伝いをするスポーツカウンセリングの2つがある。しかし両者は思いの外、重なりが大きい。アスリートのカウンセリングを他と比較した時に、いくつかの違いが認められる。本WSでは相談の中でのクライエントの身体の語り(例えば、動き、パフォーマンス、からだの問題)の特徴やその意味、そして相談での生かし方について、レクチャーと事例検討を通して参加者と理解を深めたい。 【備考】 事例は講師が提示しますので、募集はありません。
なかごみ しろう(国士舘大学体育学部特任教授)/あきば しげき(国士舘大学体育学部講師) 私たちはスポーツ心理学を担当し、そしてキャンパス内に設置された相談室(スポーツカウンセリングルーム)で学生アスリートを、そして国立スポーツ科学センターにて代表クラスのアスリートの心理相談を行なっています。アスリート固有の相談経験が、参加者の臨床の場でも活かされることを願っています。
7)講師:佐々木 銀河氏(筑波大学)「大学における発達障害の診断または傾向のある学生への対応—アセスメント、修学支援、合理的配慮の調整」【D領域】
発達障害の診断または可能性のある学生に対して、どのようにアセスメントを行い、どのように合理的配慮の調整や修学支援につなげていくかを講義と演習を通して学びます。ワークショップにおいては、発達障害学生を想定して作成した仮想事例動画によりグループ討議を行います。その他、筑波大学で開発した障害の有無にかかわらず利用可能なリソースを紹介するとともに、合理的配慮の内容を調整する際のポイントについても学びます。 【備考】 本ワークショップではWAIS等、心理検査の基本的知識があることを前提に進行いたします。
ささき ぎんが(筑波大学人間系准教授) 発達障害学生への支援に関する研究を進めるほか、障害学生支援室(DACセンター)で発達障害学生の修学支援を担当し、学生のアセスメントや合理的配慮の調整、スタディスキルのコーチングなどの実践をしています。
8)講師:永井 撤氏(原町田心理相談室/東京都立大学)「大学生における親面接について―大学での面接支援と指導について―」【D領域】
1980年代初めから、思春期・青年期の問題に関心を持ち、臨床と研究に取り組んできました。青年期問題を考えるうえで現在も大学の学生相談と引きこもり支援の公的機関に関わってきています。引きこもりの場合、親への支援が心理臨床の立場からできる重要な役割と考えています。さらに学生相談においても親が相談に来るケースが増えており、そこで考えていること、さらに所属した中規模公立大学の学生委員長、センター長を計3年ほど従事する経験をしました。学生を支援する立場と微妙に異なる処分も含めて対応する経験を3年ほどしました。このような経験を踏まえて、大学における支援の在り方と親への対応について、自験例を中心に考えていけたらと思っております。 【備考】「心理臨床における親面接~その基本的構えと事例から学ぶ~」北大路書房で親面接の基本については解説しています。
ながい とおる(原町田心理相談室/東京都立大学特任教授) 2020年3月に27年務めた臨床心理の養成学科を退職し、現在は学生相談と中高一貫校でのSCなどをしています。コロナ禍の中、小さな相談室を開設して、思春期・青年期の子どもたちの親支援を中心にした相談室を開設しました。臨床との出会いは、高校生の頃、人の視線が気になり、緊張する悩みを抱えており、これが「対人恐怖」と呼ばれ、日本人に多い文化的な病理であると知ったことが原点です。それから20年後「対人恐怖の心理」(サイエンス社、1994)という本を出すことで、どうにか折り合いをつけて今に至っています
9)講師:安部 有紀子氏(大阪大学)「学生の成長を促す学生支援のために何が必要か?―米国学生支援の動向を足がかりに―」【E領域】
長引くコロナ禍によって、対面でのやりとりが制限される中、学生のコミュニティを形成し、かつキャンパスライフをいかに維持させるか、多くの教職員がこの一年悩み続けたことと思います。本ワークショップでは、まず前半に米国、欧州、日本の学生支援のコロナ禍での取り組みについて、その効果と難しさの両面について紹介していきます。後半では緊急事態の今だからこそ、「学生の学びを促進するための学生支援」に向けた学生へのアプローチ方法とその意味について、フロア全体で話し合っていきたいと思います。「様々な立場の教職員が学生の学びを促進するために何ができるのか?」再考する機会になることを期待します。 【備考】 ・本ワークショップは、組織的な支援の担い手である大学職員を想定して内容を考えております。 ・事前に、ワークショップテーマに関する参加者の方が抱える現在の課題について、オンラインでアンケートを取らせていただきます。参加者にはURLをご連絡します。 ・本ワークショップの後半は、オンライン上での少人数のグループによる双方向の話し合いと、ウェブ上のメモ機能を用いて全体の情報共有を行なっていきます。操作については、当日指示をしていきますが、様々な理由で話し合いに参加できない方や、サポートが必要な方がいらっしゃれば、事前に申し出ていただきたく思います。
あべ ゆきこ(大阪大学全学教育推進機構准教授) 九州大学・大阪大学で教員として大学教育マネジメントの業務に携わり10数年経ちました。現在、研究では学生寮における教育的アプローチの国際比較研究を進めています。業務も研究も教職員混合チームで、「皆で学生を支える」をモットーに、協働的なコミュニティづくりに尽力しています。
10)講師:堀田 亮氏(岐阜大学)・今江 秀和氏(広島市立大学)・杉岡 正典氏(名古屋大学) ファシリテーター:福盛 英明氏(九州大学)【研究委員会企画】「学生相談に“データ”を活かす」【F領域】
来談学生への調査に抵抗のあるカウンセラーは多いかもしれません。しかし、支援の質を高め、学内外に学生相談の価値や意義を発信するためには、学生相談の効果をデータで示すことも求められます。本WSでは①カウンセリングのモニタリングや効果測定、②グループプログラムの効果測定、③スクリーニング、④ビッグデータという4観点から、データの取得と活用法について、実践例も交えて解説します。来談者数や相談内容等の利用状況よりも一歩踏み込んだ“データ”に目を向け、学生相談に活かす方法を共に考えたいと思います。
ほりた りょう(岐阜大学保健管理センター助教) 臨床心理士、大学カウンセラー。学生相談の営みは「数値化」できないことも多々あると承知していますが、少しでも「見える化」することは大切だと思っています。 いまえ ひでかず(広島市立大学国際学部准教授、保健管理室専任カウンセラー) 専任カウンセラーになって7年、どのようなデータを取り、どう生かせばよいのか、いろいろと考えていますが、今も模索中です。皆様と一緒に考えていけたらと思っています。 すぎおか まさのり(名古屋大学学生支援センター准教授) 臨床心理士。学生相談活動からどのようなデータをとればよいのか、いかにして データを研究の枠組みにのせて論文にすることができるのか、当日は、そのようなことを一緒に考えていけたらと思います。