【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について】第3報 新年度の開始に向けて:学生相談機関で知っておくと役立つ情報

  多くの大学等で卒業式が中止や縮小開催となり、また入学式の中止、ガイダンスの簡略化、授業開始の延期、遠隔授業導入、留学生プログラムの中止などが次々と発表される中、3月19日に「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が公表した状況分析と提言に基づき、3月24日に文部省高等教育局から各大学の長に向けた「令和2年度における大学等の授業の開始等について」(通知)が出されました。そこには、大学等において、いかに感染拡大防止に努めつつ学生の修学や就職活動を保証するかという観点からの留意事項が示されています。基本的な方針としては、感染状況が収束に向かう傾向が確認されるまでの当面は、遠隔授業を柔軟に活用して自宅等で学習し、多数の学生が教室空間に集合しない工夫を行うということがあります。学生が登校しない期間の学生相談をどのように実施するかは、多くの大学等で重要な検討課題であると言えるでしょう。

 このような状況が長期化すれば、学生や保護者、教職員の不安やストレスが高まるだけでなく、対応するカウンセラーの側にも同様の反応が生じてくる可能性が考えられます。各大学等によって事情は違いますが、新年度に向けて、学生相談カウンセラーが知っておくと有用な情報(すでにご存知なものもあるかと思いますが)を以下に共有させていただきますので、ぜひご参照ください。

1.日本心理学会が、アメリカ心理学会(APA)に許可を得て、公式ウェブサイトに掲載された記事 “Keeping Your Distance to Stay Safe” の翻訳版を掲載しています。

「もしも『距離を取ること』を求められたなら:あなた自身の安全のために」

 https://psych.or.jp/about/Keeping_Your_Distance_to_Stay_Safe_jp/

*新型コロナウイルス感染症対策に関連して、自宅待機など通常の生活から「隔離」された場合に、どんな心理的反応が起きるか、どう対処すればよいか、どんなツールや情報源があるかが示されています。

 

2.日本学生相談学会による、「学生相談において、遠隔相談(Distance Counseling)を導入する際の留意点Ver.1」

学生相談において、遠隔相談(Distance Counseling)を導入する際の留意点

  *こちらは、必要に応じて情報更新していますので、最新版をご参照ください。

 

 

3.日本心理臨床学会支援活動委員会による、「コミュニティの危機とこころのケア」のウェブサイトでは様々な情報を掲載しています。

支援活動委員会 特設ホームページ

 

 

4.新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(3月19日)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html

*正しい情報を知ることは、非常時においては特に重要なことです。上記の提言にある、最も感染拡大のリスクを高める環境(①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という 3つの条件が同時に重なった場)での行動を十分抑制するための工夫や対応が、学生相談機関においても必要です。

 

5.「令和2年度における大学等の授業の開始等について」(通知)

https://www.mext.go.jp/content/20200324-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf

*文部科学省がどのような指針を示しているかを知っておくことは、学生相談機関においてどのような対応が今後求められるかを理解する上で役立ちます。

 

 以上のような提言や指針から、各学生相談機関では以下のような点への留意が必要であると考えられます。

  • 利用者に来談前の検温や体調確認をしてもらい、体調不良時の利用を控えてもらうこと(スタッフも同様)
  • 相談室入口での手指のアルコール消毒(アレルギーのある方への配慮としては、手洗いの徹底)
  • スタッフのマスク着用
  • 部屋のこまめな換気
  • 1~2メートル以上の間隔を保つこと
  • 接触共有する物(ドアノブ、筆記用具、心理検査用具等)の消毒
  • 緊急連絡先の再確認(電話、メールなど複数)、自宅への連絡が可能かどうか(保護者等が学生相談室利用を知っているか、学生相談室と名乗ってよいかなど)の確認
  • 通常開室していても、今後の状況によって、入構禁止による相談中止、延期、相談時間の短縮の可能性が起こりうることの説明と対面以外の代替手段での相談が可能な場合についての説明と打ち合わせ
  • 万が一、利用者が感染した場合の相談室への連絡
  • 相談室のスタッフや利用者から感染者が出た際の大学、保健所等への情報提供の可能性に関する説明と同意を得ること

学生相談機関のウェブサイトに、関連する情報を掲載することも推奨されます。

例:東京大学学生相談所 http://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/scc/scc-info/1151/

 なお、新たな対応を開始するにあたっては、ご自身が勤務している大学の方針を必ず確認し、権限のある上司に必ず了解を取ってください。非常勤カウンセラーだけで対応している学生相談機関では、大学としての対策の情報がすぐに得られない場合もありますので、機関の責任者から最新情報が共有されるようはたらきかけることも大切です。

 いろいろ挙げてみましたが、上記のとおりにしなければいけないということではありません。これらは、多くの国内外の大学学生相談機関の発信する情報をもとに本学会として整理したものです。各機関の事情や判断に基づいて、運用のためにご参照いただければと思います。私たちは、かつてない経験に日々直面しています。学生だけでなく、私たち学生相談カウンセラー自身も不安とストレスにうまく対処してやっていくことが大切です。本学会で共有できる役立つ情報や知見があれば、広報報員会koho@gakuseisodan.comまでぜひお寄せ下さい。

 

日本学生相談学会常任理事会

「学生相談における遠隔相談導入に関する検討チーム」 高石恭子(甲南大学)、高野明(東京大学)、斉藤美香(札幌学院大学)、太田裕一(静岡大学)、安住伸子(神戸女学院大学)

 

 

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